教育実習ではわからないことが多いので教員免許の発行には最低1年の非常勤講師勤務経験を課すべきだと思う今日この頃

さて長々としたタイトルで真面目な日記を書こうと思う.


自分は教員免許保持者で,実際に今年から非常勤講師として公立高校で授業をやっている.
実際ぼくがロクに就職活動をしないでこの職を選択したのには理由がある.

  • 教員,という職業に少なからず興味があった
  • 教育実習では正直自分のこの職業に対する適正がわからなかった
  • 大学のカリキュラムを履修しただけで教員免許保持を誇りたくないプライド

教員,という職業に少なからず興味があった


自分は農学という進路の選択を中学の時にしたわけだけど,そうでなかったら教育学がいいかな,とも思っていた.
実際,大学の農学部に入っても2年くらいまでは教育学部の先生と多少交流があったりしたり.
まぁこのあたりはぼくの話なので今日の日記とはあんまり関係がない.また今度,機会があったら.

教育実習では正直自分のこの職業に対する適正が分からなかった


これはタイトルの大きな理由.
教育学部以外の学部で取得できる教員免許は,基本は高校の免許.
いくつか特定の単位を履修して,中学の免許も取得できる*1
そして教育実習の期間は,2週間.


2週間,短い


そして多くの場合はぼくみたいに母校に行く.
そうすると高校生気分が抜けきれず,大学生気分も抜けず,どうも曖昧な気分でなじむ間もなく実習期間は終わってしまうことがある.
つまりあくまで「実習生」という中途半端な立場であり,とても自分の適正など考えられるものではなかった.


そして教育実習で担当する授業にも問題があるように思う.


非常勤講師をはじめて,授業の最初の何回かを行うにあたって難しい点は以下の3点に集約される.

  1. 生徒の学習レベルが分からない
  2. 生徒の学習レベルにあった情報発信が難しい
  3. 生徒の学習レベルにあった情報選択が難しい


授業の展開で難しいのは,自分の知識取得なんかじゃない.
授業を受ける生徒にあった情報を選択し,発信するという1年の計画だ.
1年間の計画に苦しみ,そして1コマの計画に苦しむ.


実習でこれら情報の選択は,基本指導の先生が行う.
せいぜい自分の裁量で判断するのは,1コマの授業をどう情報を発信するか,だった*2
そして責任ある成績や,考査といったパートは触れさせてもらえない.


そして生徒の方も,「ああ,教育実習ね」という空気で授業に望む.
教育実習生による授業は,戦術的な授業であり戦略的な授業ではないため,普段の学校生活とは違う空気になる.
要するにイベントの1つとして受け入れられる.


長々と書いたけど,「教育実習なんてイベントや,実際と違うで」という,ぼくが教育実習でお世話になった先生の言葉が元ネタ.
今のところこんな感じで理解している.

大学のカリキュラムを履修しただけで教員免許保持を誇りたくないプライド


高校の教員免許というのは,それなりに質が保障されないといけない資格であるとぼくが思う.
いわゆる「名ばかり先生」という,大学生の時に暇があったから教員免許を取得した,とか,教員免許があるから「教員でもやるか」「教員しかできない」という「でもしか先生」という言葉がある.
「名ばかり先生」「でもしか先生」は,教員の質の問題に帰結する.
なのでぼくは,少なくとも学校教員の

  • 年間の授業計画と進行
  • 成績をつけ,評定をされるという責任


という責任を1年間まかされて,はじめて教員免許保持者であると名乗りたいと思う.


とまぁ長々と書いてみたけれど


半分は1週間でくじけそうになっている自分への戒めです.


授業が終わってすぐは「態度の悪い生徒を注意できなかった」とか「うまく話ができなかった」とか「もう授業やりたくねぇ」とか思うけれど,帰りの車の中では「次の授業はこうやってみようか」とかいろいろ前向きに考えてみたりするので,まぁぼくは前向きにがんばっています元気です.

*1:少なくともうちの学部(農学部)の場合.中学の免許取得には介護実習などが必要

*2:それもまぁオーソドックスな板書形式に落ち着くことが多い